どなたにとっても初めての成人式。
振袖選びから前撮り、式当日のお支度、金銭的な事まで、初めてなのにすべき事も多く、予期せぬ様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
成人式は一生に一度のお祝い事ですから、揉め事はご法度です。
振袖選びから始まって成人式まで、素敵な思い出に残るよう事前にトラブルの回避や対処法など、しっかりと予習して頂けたらと思います。
成人式のトラブルを 振袖店編・ご家庭編・写真館編・美容室編 に分けて、過去に実際あったトラブルなどを例にご紹介させて頂きますので、ご参考くださいませ。
成人式トラブル 振袖店編
その場で契約を迫ってくるお店
ほぼ全員と言っていい割合のお客様は、初めての振袖の下見で契約まで考えていません。
どんな振袖がおいてあるかもわからないし、気に入る振袖が見つかるかもわからないし、お店の雰囲気も初めてだし、料金もわかりませんので、当然です。
しかし、気に入る振袖があり、料金も予算の許容範囲だった時にトラブルが起こりやすくなります。
お店によっては、「今なら式当日の着付けが一番良い時間帯です」や「前撮りも今契約すると良い季節にできますよ」など、あの手この手の営業トークを何人もの店員で契約を迫ってくる場合が多々あります。
そうやって渋々契約した結果、やっぱりおかしい!というスッキリしない気持ちが後からくすぶりトラブルになる事があります。
対処法
主人や祖母に相談しないと決められないと、きっぱり一度断りましょう。
どうしても他の人に振袖を取られたく場合でも、取り置き期間を設けてもらい、家に戻って落ち着いてから相談される事がおススメです。
振袖は本当にアレで心変わりしないか・お店の対応は良かったか・価格は妥当なのか・セット内容はお得なのか などご家族で話し合って結論を出して頂けたらと思います。
ただし、ご縁を頂く事になったとしても、その場で契約を迫ってくる安心できないお店なので、その後にトラブルが起きないとは言い切れません。
営業がしつこいという事は、前撮りアルバムで高額のオプションを勧めてきたり、成人式が終わってからもお母様向けに他の着物をしつこく勧誘してくるというお店です。
一軒だけでは判断しにくいと思いますので、取り置きの期間内にもう一軒行ってみたいお店にも行ってみて見比べると判断材料も多くなり、トラブル回避のポイントとなります。
逆に、「ゆっくり考えて頂いて大丈夫ですよ」というお店は、信用できますので初めての来店でも、気に入った振袖があったら契約してもトラブルは起きにくいでしょう。
金銭的な事でお店と揉めてしまった場合
振袖は普段買い物で目にする機会がほとんどなく、レンタルや購入の相場価格もわかりませんし、扱う振袖の種類やセット内容によってお店ごとに価格も違い複雑です。
振袖は決してお安い物ではありませんから、決めた後に他店のコレが良かったアレが良かった場合などキャンセル料が発生してトラブルになる場合があります。
お客様の立場からすると「まだ袖を通していないのだからキャンセル料なんてかからないよね?あっちの店ではこんなに安いのだから同じにできないの?」、お店側からすると「契約して頂いてからの期間ずっと他の方にお見せしていないので損失がでています。振袖の種類もセット内容もお店も違うのだから価格が違うのは当然です。」といった感じです。
また、値引き交渉についてもトラブルの原因になります。
言わなきゃ損!とダメ元で言ってみると、とても安くしてくれる店があり、値引きしてもらいお得だったと契約しても、そういうお店は他の方にも値引きしています。
自分が安くしてもらったつもりでも、他にもっと安い方も大勢いらっしゃいますし、はじめから値引きする前提で高めの価格設定をしていますので、実際は全く得をしていません。
ましてや人によって価格が変わるお店は信用できませんよね。
逆に値引きをしないお店は、皆平等で初めから最低価格で提案していますので、信用ができるといえるでしょう。
対処法
行ってみたいお店の事をホームページや口コミなどで、評判をよく調べてから伺いましょう。
振袖を決めてから成人式まで、長い期間があく為、その間のアフターフォローなどを考えると、お互いの信頼関係が大切になってきます。
振袖フルセット内容は、振袖の種類(手染めかプリント)・仕立て(海外や国内、ミシンや手縫い)・袋帯や小物類のグレード・前撮りアルバムのグレード・式当日のお支度など様々な組み合わせによって価格が形成されています。
ハッキリ言ってプロでも、一つひとつの良し悪しを判断し、総合したフルセットの価格を評価するのは非常に難しいです。
難しく考えずに、地元の評判や長年の実績などから、信頼できる親切なお店とご縁を結ぶ事がおススメです。
成人式前に必ず振袖が手元にあるように
成人式当日の着付け会場や美容室に、振袖を預けないようにしましょう。
振袖一式をお店に預けておけば手ぶらで会場に行けるので楽ちんですが、記憶にも新しい振袖業者の急な倒産や天災などがあった場合、取り返しがつかなくなります。
倒産の場合は、購入した振袖が戻ってくるまで相当な時間を要しますし、火事や地震の天災では、代々受け継いできた振袖など失ってしまうかもしれません。
レンタル振袖の場合、理想としては、前撮りの後(時期によります)にそのまま借りておくと安心です。
対処法
少々手間でも、当日に振袖一式を運ぶようにすると間違いありません。
また、成人式の2~3日前から着物ハンガーに吊って陰干しを行うと折りジワが伸びて綺麗な状態で振袖を着用する事ができます。
成人式トラブル ご家庭編
きちんとご家庭で話し合って契約をする
振袖のお下見は、約7割のお客様が、お母様とお嬢様の二人でお越し頂きます。
気に入った振袖も見つかって、価格も手頃だったし、何度も振袖を見に行くのも面倒なので、と2人の意見だけですぐ契約された場合にトラブルが起きる事があります。
まず、ご主人様に振袖を見に行く事自体伝えていなかったり、相場価格の説明をしていなかった場合に、何もわからない状態のご主人様は騙されていないか心配になって、「まだ時期的に早いし、もっと安い振袖はないのか?」や「いきなりそんな金額を言われも困る」とご家庭内での揉め事に発展するケースがあります。
また、妹様がいて、お姉様と兼用で購入した場合に、「勝手にお姉ちゃんだけで決めてずるい」や「私の好みはお姉ちゃんとは違う」と拗ねてしまうトラブルにも注意です。
対処法
基本的には、ご主人様に振袖を見に行く時期や価格など説明してから、お店に出掛けるとトラブル回避に繋がります。
万が一、揉め事になってしまった場合でもご主人様は、決してダメと言っている訳ではありません。
心配しているだけですので、きちんとお店や価格の説明をして話の筋を通せば、ご主人様にとっても可愛い愛娘の晴れ着なのですから、わかってもらえるはずです。
妹様と兼用で振袖を購入される時は、妹様の年齢が近い場合はご姉妹様で一緒に選んでもらった方が、間違いありません。
逆にかなり年齢差があるご姉妹様では、妹様を一緒に連れて行っても振袖に関心がなく、子供っぽい物ばかりを選ぼうとする傾向にありますので、お姉様だけで選んでも問題ありません。
きちんとご家庭で話し合ってから、お店に行きましょう。
家族との振袖の好みが違う場合
ご家族で振袖を見ていくと、ほとんどのご家庭は好みが各々わかれます。
親としては「こういう高そうに見える振袖を着て欲しい」とかお祖母様は「こっちが絶対良い物だから」など、お嬢様と好みが違う場合にトラブルが起こりやすくなります。
親の立場では「自分がお金を出すのだから振袖にも拘りたい」、お嬢様からすると「自分が着るのだから口出ししないで欲しい」、といったようにどちらも歩み寄りが見られない時に口論や喧嘩になり、もう振袖を見に行くのすらイヤになるトラブルが稀にあります。
対処法
対処法はごく簡単で、お嬢様の好みを優先してあげてください。
自分で選んだ好きな振袖を着て、成人式に出席する方がきっと良い思い出になりますよ。
留学や遠方で下宿する可能性も考える
近年、高校3年生の2~3月頃から振袖のお下見を始められる方が多く、留学するとか遠方の大学で一人暮らしをするなどはまだ未定ですが、外国語大学に進学予定や地方にある希望の学部に進学したい方などは、可能性として考慮しておくとトラブル回避に繋がります。
「振袖を契約したのに成人式に出席できない」、「遠方からなかなか戻ってこれないので前撮りする時間がレンタル貸出期間にない」といった事になると、支払った料金が無駄になってしまいます。
対処法
留学を希望するお嬢様は、大学に入学するまで振袖を決めない事です。
入学してからだと、留学した先輩達に成人式に出席できたのか話を聞いてから判断できるからです。
もし、留学期間が成人式と重なっていた場合でも、成人式には出席しない前撮りだけのレンタル振袖プランなどもありますので、二十歳の振袖姿の写真を残したい方にはオススメです。
遠方で下宿する可能性については、成人式には出席できますので、問題は前撮りの時期となります。
全てのお店がそうではありませんが、なかなか地元に戻ってこれない事情を話せば振袖レンタル期間以外でも、前撮り時に振袖を貸してくれるお店があります。
あらかじめ、遠方に下宿する可能性を話して、前撮り期間をお嬢様が戻ってくるタイミングに融通してくれる親切なお店とご縁を頂きましょう。
成人式トラブル 写真館編
髪のアップスタイルやメイクのイメージは事前に決めておきましょう
前撮りアルバムは一生記念に残る大切な写真です。
髪型やメイクなどお任せして、気に入らない出来上がりで撮影に臨んでしまい、後日やっぱり撮り直しをしたいなんてトラブルも。
こうした場合、ヘアメイクの良し悪しは好みなのでスタジオに過失があるとは考えにくく、撮り直しは難しいでしょう。
別のスタジオで、撮り直しとなると費用の負担も大きくなりますし、なかなか撮影日の都合もつきにくかったりします。
対処法
前撮りまでに、自分の好きなメイクやアップのスタイルをスクショや雑誌で持って行くと、イメージが伝わりやすくなります。
全くわからない方は、お任せして施術中に気になる所があれば、その場で伝えるようにしましょう。
また、帯の結び方にも拘りがある方は、メイクやアップ同様に飾り結びのスクショや雑誌をお持ちする事をオススメします。
ただし注意点として、着付け師や袋帯の長さにより出来る飾り結びと出来ない飾り結びがありますので、スタジオと相談が必要です。
前撮りが無料特典なのか優待特典なのか確認する
お店やご自身の契約内容によって変わってきますが、前撮り時の費用を巡ってトラブルになる事もごく稀にあります。
例えばレンタル振袖やママ振袖でご契約している方はお安くご利用できる優待特典、購入振袖で契約している方は無料特典など、契約したプランやお店によってセット内容が異なります。
契約してから前撮りまでに長期間あいているとハッキリ覚えていない場合があり、特にこっちのプランだと前撮り無料であっちのプランでは優待など、両方の説明を受けているとごっちゃになって、無料だったと思うのに何故スタジオから支払いの請求が?とトラブルになりかねません。
対処法
契約時に説明を必ず受けていますので、前撮り前にしっかり契約内容を確認しましょう。
また、どこまでがセットのプランなのかも確認が必要です。
家族写真やミニアルバム、データ購入などは、別途費用がかかる場合が多いですが、ミニアルバムをお祖母様にプレゼントされるととても喜んでもらえますので、おススメです。
忘れ物がないようにする
振袖店が提携している前撮りスタジオで撮影される場合は、ほとんどの振袖店がレンタルした物を前撮りの日に合わせてスタジオに準備してくれています。
しかし、フルセットでお願いしたから全て揃っているはずと思い込んで、油断しないでください。
フルセットの場合でも、必ず自分で用意しなければならないのが、着付けの時に体型の補正で使用するタオルになります。
また、レンタル振袖で契約しても髪飾りなど購入した物がある場合は、契約時に自宅へ持って帰っていると思いますので、自分で持って行く必要があります。
その他、ママ振袖を活用される方は、何をレンタルして何を活用するのか、細かく確認してください。
忘れ物をしてしまうと前撮りが出来ないトラブルになりますので、気を付けましょう。
対処法
補正用タオルは体型によって異なりますが、3枚~5枚使用しますので、5枚準備しておくと安心です。
タオルの大きさは、普通のフェイスタオル程度が理想で、バスタオル程度の大きさになると補正がしにくくなりますので、気を付けましょう。
タオルの色は基本、白色の無地をご準備してください。
髪飾りなどの購入した商品があれば、忘れず一緒に持って行きましょう。
万が一、忘れ物があった場合の対処法として、スタジオにある物を借りる事もできますが、借りる物によってはコーディネートが変になったりサイズがあっていなかったりします。
もし、スタジオにおいていない物を忘れてしまった場合の対処法は、お嬢様がヘアメイクしている時間内(約40分~1時間)に家に取りに帰るか、契約した振袖店が近ければ借りに行くという手もあります。
基本的な事ですが、忘れ物がないよう気をつけましょう。
成人式トラブル 美容室編
自分の小物類や着付け道具に名前を書いておく
美容室は、成人式当日にたくさんの振袖を預かる為、小物類や着付け道具が他の方と入れ違ってしまう可能性があります。
着付けの最中にも腰紐や前板などが、他の人と混ざってしまい、誰と混ざってしまったのか成人式後に調べたり、交換しに行ったり、と手間のかかるトラブルになってしまう事も。
対処法
レンタルしている物に名前は書けませんが、着付け道具一式を入れている風呂敷や草履バッグの箱などには名前を付けておきましょう。
天気予報を見て、雨が降りそうであれば、振袖用の雨がっぱを準備しておくと安心です。
また、美容室で借りた物がある場合は後日返却しに行ってください。
補正で使った綿などは、返却の必要がありませんが、他に着付け道具やタオルなどお借りしたら、きちんと返却するよう心掛けましょう。
予約した時間の10分前には到着しておく
成人式で一番心配なトラブルとして挙げられるのが、「仕上がり時間の遅れ」や「着崩れ」です。
美容室は、早朝から多数のお支度をお手伝いしている為、仕上がりの予定時刻が遅れてしまうトラブルがあります。
遅れてしまう原因として考えられるのが、「無理なスケジュールを美容室が組んでいる」・「寝坊や忘れ物をして来た人がいる」・「カウンセリングと違うヘアメイクに変更で時間がかかった」など、一概に美容室に落ち度があるという訳ではありません。
早朝からスタートの方が、ヘアメイクで時間がかかったり、遅刻してきたりすると、後からの方すべてのスケジュールに影響してしまいます。
ヘア・メイク・着付けで約2時間のタイムスケジュールで動いていますので、遅刻やワガママは厳禁です。
自分だけでなく、他の方にも迷惑がかかってしまいます。
また、仕上がり時間の遅延以外のトラブルとして心配なのが、「着崩れ」ですよね。
基本、着付け師さんを信用するしかありませんが、少し緩いかな?など気になる事があればその場ですぐに伝えるようにしましょう。
成人式会場で着崩れてしまうと、お嬢様一人では直し方もわからず、再会した友人と話す余裕もなく途方に暮れてしまします。
対処法
仕上がり時間が遅れないようにするには、まず自分が予約時間に遅れない事。
また、万が一仕上がりが遅れる可能性として、仕上がり時間を余裕を持った早めの時間に予約するといった対処法があります。
事前のカウンセリングでは、しっかりと打ち合わせをして当日に慌てる事がないようにしましょう。
ヘアメイクに時間がかかってしまうと、着付け時間にシワ寄せがきて、着崩れの原因になるに恐れがあります。
もし着崩れてしまった場合、成人式の会場によっては「着付け直しコーナー」を設置してくれている市がありますので、遠慮なく駆け込みましょう。
そういったコーナーがない場合、市の職員さんに相談する方法もあります。
市の職員さん(特に年配の女性)の中には、着崩れしている・もしくはしそうな方に、積極的に声をかけて直してくれている優しい職員さんもいます。
どうしても困った時は、頼ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
成人式は大人として、送り出す日になります。
トラブルにならないように、お嬢様自身が責任を持って行動する事が前提となりますが、自分のせいではないトラブルが起きる事だってあります。
考え方の一つとして、いつまでも保護者が付き添って手助けするのはおかしいという厳しい意見も多くあるようですが、保護者にとっては生まれてから20年間愛情を注ぎ育て上げた我が子の晴れの日です。
煩わしいトラブルの回避や困った時の対処など、出来る限り協力してあげてください。
新しい門出の時間や想いを商いとするみやたけ工房では、長年の経験や知識を活かし失敗のないよう最善のお手伝いを心掛けています。
最後に、成人式が行われる1月は毎年インフルエンザが流行する時期ですので、くれぐれも体調管理に気を付けて、一生に一度の成人式を素晴らしい思い出にして頂けたらと思います。