今回は、成人式の振袖姿を華やかに着飾る小物の中で、「帯揚げ」に注目したいと思います。
重ね衿・刺繍衿・帯締め・帯揚げなど、着物で使う小物の名称って、どれも似ているので「帯揚げ」がどれなのかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
振袖を着付けしてもらった時に、袋帯の上に巻く絞りの長い布のことになります。
帯揚げは、振袖を着た時の中心より少し上あたりにくることから、コーディネートのアクセントとして装飾的な役割と着付けで必要な役割を持っています。
小物の合わせ方には決まりがないので、選ぶのが難しい分、自由自在にアレンジして頂けますので、帯揚げの結び方のバリエーションによって印象の変化をご覧ください。
人と差をつける帯揚げのアレンジで、自分なりの振袖の着こなしを楽しんで頂けたらと思います。
帯揚げの種類は?
振袖の帯揚げで一般的に使われるのは、絞りの入っているタイプです。
絞りの入っているタイプでも、中抜き絞りと総絞りの種類があり、アレンジのしやすさが異なりますので、ご参考ください。
中抜き絞りの帯揚げ
中抜き絞りタイプは、絞っていない部分を前面に持ってくることができないため、結び方が限定され、個性的な帯揚げアレンジをしたい方には不向きです。
アレンジができない訳ではありませんが、総絞りタイプの帯揚げの方がバリエーションは豊富になります。
総絞りの帯揚げ
総絞りタイプは、どの部分でも前面に持ってくることができ、アレンジの幅が広いのが特徴になります。
花を作ったりする可愛い帯揚げアレンジを楽しみたい方は、総絞りタイプの帯揚げがおすすめです
絞りに刺繍
絞りの上から、小さな小花などの刺繍が施された帯揚げです。
豪華さがあり、振袖が一層華やかな印象になります。
綸子の帯揚げ
表面がザラザラしている縮緬(ちりめん)素材とは違い、光沢感が出るよう織られたツルっとした綸子の帯揚げです。
主に訪問着や留袖などで使用され、振袖ではあまり使いません。
その他
最近では、レースやラメ入りなど派手な帯揚げも登場しています。
帯揚げの役割は?
帯揚げの役割は、主に2つあります。
- 帯枕の位置ずれを防ぎ、帯枕の紐を隠す
- 帯の上に挿し色として映える
元々帯枕(お太鼓枕)は、江戸時代にはなく、帯揚げのみで形を整えていました。
大正から昭和にかけて、お太鼓結びの普及に伴い、帯枕で形を作って帯揚げでくずれないよう締める役割として定着した歴史があります。
帯揚げには、装飾的な役割もあります。
重ね衿・帯締め・帯揚げの色バランスによって、振袖をより美しく引き立たせる効果があり、コーディネートのアクセントになります。
帯揚げのアレンジは?
振袖を彩る帯揚げアレンジは、様々な結び方があります。
古典柄振袖には、伝統的なアレンジ・現代柄には可愛い花アレンジ・レトロ振袖にはリボンアレンジなど、振袖の雰囲気に合わせて選びましょう。
一文字結び
たっぷりと出した帯揚げで、帯の上部を水平に覆う巻き方です。
若さあふれるシンプルでハタチらしい帯揚げアレンジといえるでしょう。
本結びアレンジ
帯揚げの真ん中に、小さく結び目を作り引き締める伝統的な結び方です。
見せすぎず、見える部分が少なすぎることもない、程よいバランスのある帯揚げアレンジの方法になります。
かもめ結び(入組山飾り)
かもめが飛んでいるように見えることから、かもめ結びと名付けられた帯揚げアレンジです。
左右に美しく弧を描いた上品で洗練されたスタイルになります。
蝶飾り(リボン結び)
リボン結びは、レトロ感ある帯揚げアレンジです。
可愛い個性的なアレンジは、振袖のアクセントになり、華やかさをプラスしてくれます。
入組衿飾り(いりくえりかざり)
結び目を作らず、中央からずらして斜めに結ぶ帯揚げアレンジです。
若さを感じさせるアレンジなので、成人式までがおすすめの結びです。
一つ花結びアレンジ
帯揚げアレンジの中で最も豪華に見えるのが、花アレンジです。
大輪の花を一つ作って、個性がキラリと光る可愛い結び方になります。
二つ花結びアレンジ
花を二つ帯揚げで作る結び方です。
豪華さをプラスしてくれるアレンジ方法になります。
絞りで蕾を作った花結びアレンジ
蕾を絞り部分で表現した花アレンジです。
着付け師の職人技が目を引く帯揚げアレンジといえるでしょう。
帯揚げアレンジ動画
まとめ
振袖の帯揚げアレンジは、振袖姿の中心にくる小物のアクセントとして、個性を出しやすい部分になります。
色や柄、素材によって、振袖の柄にある色を取り全体のトーンを合わせた統一感あるコーディネートや花・リボンなどの華やかアレンジをプラスしたコーディネートなど、帯揚げアレンジは自由自在です。
人と差がつく素敵な帯揚げアレンジで、ハタチの振袖姿を可愛く彩って頂けたらと思います。
みやたけ工房では、お一人おひとりの個性を大切にしたいため、袋帯・重ね衿・帯締め・帯揚げなどの小物は、自由にお選び頂けるようになっています。