成人式や結婚式の振袖に合わせる髪飾りの選び方と種類についてご紹介させて頂きます。
振袖を決める時期が年々早くなり、振袖と一緒に『髪飾り』を決めるという方が、少なくなってきました。
髪飾りは、前撮りまで使う事がありませんので、振袖を決めた時点では髪の長さやアレンジが全然決まっていないからです。
振袖を決めてから随分時間が経っている方も多いと思いますが、振袖と髪飾りの雰囲気を合わせたいので、まずは選んだ振袖の色柄を思い出して確認してみてください。
振袖に合わせる髪飾りは種類が豊富にあり、古典柄振袖・現代柄振袖・新古典柄振袖・花魁風振袖・大正ロマン振袖とコーディネートの雰囲気によって合わせる髪飾りが異なります。
和装髪飾りの種類別にご紹介させて頂きますので、ご参考くださいませ。
振袖の種類
髪飾り選びは、まず自分の振袖の種類を知る事から始まります。
主な種類の振袖を画像と共にご紹介させて頂きますので、自分の振袖に当てはまる種類を知りましょう。
古典柄振袖
古来より受け継がれてきた日本の伝統色や古典柄を職人の高度な技術によって染め上げる優雅で格式高い正統派振袖です。
古典柄には、「女性の品格」や「子の幸福」、「子孫繁栄」など一つひとつに願いや文化が込められています。
※写真は、みやたけ工房より引用
※写真は、みやたけ工房より引用
新古典柄振袖
古典柄の品格と現代柄の可愛さを良いとこ取りしたやわらかいテイストの振袖です。
裾にグラデーションが入っているタイプの物が多くあります。
※写真は、kimono heartsより引用
※写真は、kimono heartsより引用
現代柄振袖
洋花やモダンな柄が大胆に描かれており、新感覚のキュートなデザインの振袖です。
個性的なアレンジで自分流の着こなしがやりやすいのが特徴といえるでしょう。
※写真は、kimono heartsより引用
※写真は、kimono heartsより引用
花魁風振袖
江戸時代の吉原遊廓で栄華を誇った花魁風の絢爛豪華な振袖です。
花魁は肩を出して振袖を着たりはしませんでしたが、色っぽいセクシーな着こなしの方が多くいらっしゃいます。
※写真は、kimono heartsより引用
※写真は、kimono heartsより引用
レトロモダン振袖
和×洋ミックスの新しいけど、どこか懐かしいノスタルジックな雰囲気の振袖です。
アンティーク調で独特の配色と大きな柄により個性が強いという特徴が挙げられます。
※写真は、kimono heartsより引用
※写真は、kimono heartsより引用
自分の決めた振袖の種類がわかりましたでしょうか?
次は、振袖の種類に合わせる為に、髪飾りの種類もご紹介させて頂きます。
髪飾りの種類
つまみ簪(つまみ細工・ちりめん細工)
※写真は、かずら清より引用
※写真は、かずら清より引用
つまみ細工の歴史は古く、江戸時代中期頃から伝わる伝統工芸です。
薄絹(羽二重)を正方形に切り、つまんだり折りたたんだりした物で草花や文様などの形成する繊細な手芸技法となります。
つまみ細工を髪飾りとして取り入れたものを「つまみ簪(かんざし)」といい、主に「剣つまみ」と「丸つまみ」の2種技法から成り立ち、多彩な世界観を創り出すその形は、日本独特の美的感覚や季節感が反映されています。
※写真は、帯の仕立て屋(株)みつやまより引用
ゆらゆらと揺れる「下がり」は若さの象徴とされ、古典柄振袖に合わせる定番の和装髪飾りとなっています。
ピンポンマム
写真は、Hana Maryより引用
※写真は、戀より引用
「ピンポンマム」とは、オランダで品種改良された「菊」の事を指します。
コロンとした丸みのある立体感がとても可愛く、鮮やかな色味がポップで明るい印象になり、人気の定番髪飾りです。
ピンポンマムは、「君を愛す」・「真実」・「高貴」・「私を信じて」という花言葉から、花嫁さんのブーケにもよく使われていますよね。
日本で、菊は天皇家の菊花紋章として用いられており、邪気を払い、不老長寿の象徴とされています。
綸子(りんず)
※写真は、戀より引用
※写真は、戀より引用
みやたけ工房が、デザインから制作まで手掛けるオリジナル和装髪飾りです。
生地がつまみ簪で使用する羽二重ではなく、振袖で使用する最高級本紋綸子を使用し、美しい地模様と上品な光沢感があります。
花芯には天然石のシトリンやブルートパーズをあしらい、白蝶貝で下がりを作ったジュエリーのような髪飾りです。
染色を着物と全く同じ技法で色出しを行っている為、着物の色との相性もよく、綸子の振袖を選ばれている方は、振袖と生地を合わせたようにコーディネートが揃います。
百合
※写真は、stockcolorより引用
※写真は、新宿津田屋より引用
キリスト教では百合をマドンナリリーと呼び、聖母マリアに捧げられた花である事から「純潔のシンボル」とされています。
日本でも、美しい立ち振る舞いの女性を表現したことわざで、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合も花」とあるように、風に揺れる百合の美しさを女性が歩く姿になぞらえています。
百合の花言葉は、「威厳」・「純粋」・「無垢」と見た目通りのエレガントな意味を持ち、結婚式でもブーケや髪飾りとして好んで用いられます。
百合とよく似ているカサブランカは、品種改良された百合の一種で、百合と同じく壮大な大輪が魅力です。
※写真は、creemaより引用
コサージュ風髪飾り
※写真は、創美苑より引用
※写真は、創美苑より引用
コサージュ風髪飾りとは、ドレスやスーツなどの時に襟元に付けるコサージュのような形をした髪飾りです。
洋風で華やかな物が多く、振袖以外にも浴衣や洋装、バッグなどにも合わせられるのが、特徴となります。
素材は、サテン地やポリエステル、オーガンジーなどの生地で、色や花の種類がとても豊富な為、振袖と色や花をピッタリ揃えてみたり、多色や色んな形を組み合わせて自分だけの髪飾り作れたりと、個性的なアレンジが可能です。
生花
※写真は、みやたけ工房より引用
※写真は、ミュゼより引用
生花髪飾りは、花本来の自然な色や質感が綺麗で、花の香りも楽しめるのが嬉しいですね。
花の種類によって、胡蝶蘭やかすみ草など可憐なものからバラのような豪華なものまで、振袖の雰囲気に合わせたコーディネートができます。
生花の寿命はおよそ5時間位と短く、1日だけの贅沢な髪飾りになりますが、気取らない美しさが振袖姿を引き立たせてくれる事間違いなしです。
注意点として、大切な着物を汚してしまわないよう、花粉の処理をしっかりしましょう。
玉飾り(和玉)
※写真は、キステより引用
※写真は、creemaより引用
玉飾り髪飾りは、コロンと可愛い鞠の形をしたポップな和装髪飾りです。
鞠の文様が持つ意味は、蹴鞠が貴族の遊びであった事から「品格」、丸々と大きく育つようにと「子の成長」を願うおめでたい古典柄として、着物や帯に描かれています。
玉飾り、和玉、ちりめん玉、木目込み鞠、絞り玉、鞠玉など素材や種類によって、様々な呼び方があります。
水引き
※写真は、浅の川久より引用
※写真は、浅の川久より引用
水引き髪飾りは、シンプルながらも華やかで個性的な髪飾りです。
つまみ細工同様に伝統工芸である水引き細工は、古来より「結ぶ」・「繋ぐ」という意味を持ち、縁起物として多岐に使用され、「物事を浄化し清め、邪気を祓う力がある」といわれています。
結び方によって、梅や椿など種類が豊富にございます。
リボン
※写真は、創美苑より引用
※写真は、創美苑より引用
リボンの和装髪飾りは、レトロ感あふれる大人可愛い印象になります。
卒業式のハカマに合わせる方も多く、特に矢絣のリボン髪飾りは「ハイカラさん」のイメージを意識したコーディネートで編み上げブーツを合わせると大正浪漫時代にトリップします。
帽子
※写真は、TAKAZENより引用
※写真は、TAKAZENより引用
「着物×帽子」は、振袖にベレー帽やハット、冠などを合わせる遊び心ある個性派コーデです。
中途半端にするとダサくなりますので、帽子だけに限らず、レースの手袋や帯締め・帯揚げ、ブーツやパンプスなどトコトン小物にも拘って、自分流のオリジナルコーデを楽しんで頂けたらと思います。
まとめ
振袖に合わせる髪飾りは、お顔に近く印象に残る重要なアイテムとなりますので、たくさんの種類があると慎重になって迷われる方も多くいらっしゃいます。
選び方の一番のコツは、『振袖の種類に合った髪飾りを選ぶ事』です。
それから、色や大きさ、花の形などのバランスを見ていくと、選びやすくなります。
つまり、ざっくりとたくさんの髪飾りを見ていくのではなく、全体の雰囲気が振袖に合った髪飾りから見て行くよう心がけましょう。
好みによりますが、髪飾りの色は振袖の地色を挿し色として使っているタイプ、形は振袖の花と同じ花、大きさはややボリュームがある髪飾りがおススメです。
こちらでご紹介させて頂いた選び方をご参考に、素敵な髪飾りで壮麗な振袖姿を彩って頂けたらと思います。