白木染匠は、大正~昭和初期の京都四大染匠の一つ・沢渡源兵衛商店の流れを汲む本格手描き友禅の名門染匠です。
江戸時代の小袖、御所解、茶屋辻、吉祥文様の研究追求に勤しみ、先人達の衣裳を「心の師」とする「不易流行」を座右の銘とし、流行にとらわれる事の無い創作古典の制作を心掛けています。
白木染匠の特徴
白木染匠の特徴として、糊置の作業に型を使用するのではなく、職人が自ら行い染め上げる手糸目の最高級染物という事が挙げられます。
青花で描かれた下絵の線をデンプン糊やゴム糊などの防染剤に置き換え、挿し友禅で染料がにじまないようにする糊置の工程は、単に線をなぞるだけでなく下絵の良さを充分に引き出し不十分なところは補うくらいの力量が求められます。
長年の経験と卓越した技術を持つ熟練の職人により、伝統を守り続けながら白木染匠の着物は制作されています。
白木染匠の概要
昭和2年、初代周一氏が四大染匠の一つである老舗「沢渡源兵衛商店」に丹波大江町南有路より奉行に上がり、昭和15年沢渡源兵衛商店より暖簾分け別家し個人営業。
七七禁礼や太平洋戦争により休業のやむなきに至ったが、昭和26年染匠業を再開。
初代白木周一氏の死去に伴い、2代目白木周生氏が昭和35年4月(有)白木商店設立。
昭和52年1月(株)白木染匠設立。
白木染匠の団体職歴
昭和56年5月~60年5月 | 京都工芸染匠協同組合理事長 |
昭和60年5月~平成7年5月 | 京都工芸染匠協同組合副理事長 |
平成6年5月~17年6月 | 京都市産業技術研究所本友禅染技術者研修実行委員長 |
平成7年5月~17年5月 | 京都工芸染匠協同組合理事長 |
平成7年5月 | 中京納税協会梅屋学区支部長 |
平成8年5月~10年 | 京都染色協同組合連合会理事 |
平成8年6月~18年5月 | 京都府中小企業中央会理事 |
平成8年6月~10年5月 | 京都府中小企業労務改善集団連合会監事 |
平成8年6月~ | 財団法人京都府中小企業センター評議員 |
平成14年6月~17年5月 | 京都伝統産業センター副会長 |
平成10年6月~14年 | 京都染色協同組合連合会副理事 |
平成10年6月~12年5月 | 京都府中小企業労務改善集団連合会副会長 |
平成12年6月~ | 京都府中小企業労務改善集団連合会会長 |
平成14年7月~17年5月 | 京友禅協同組合連合会理事長 |
平成14年7月~17年6月 | 財団法人京都和装産業振興財団副理事長 |
平成14年8月~17年7月 | 財団法人平安建都千二百年記念協会評議員 |
平成14年9月~17年6月 | 京都伝統産業センター副理事長 |
平成14年9月~17年5月 | 京都不正商品対策協議会評議員 |
平成14年9月~17年6月 | 財団法人伝統的工芸品産業振興協会理事 |
平成14年9月~17年6月 | 〃 協会功労者褒章委員 |
平成15年6月~17年6月 | ファッション京都推進協議会委員 |
平成15年7月~16年7月 | 京都市伝統産業技術後継者育成制度審査委員 |
平成15年11月 | 財団法人京染会評議員 |
平成16年6月~17年6月 | ファッション京都推進協議会副会長 |
平成16年6月~17年6月 | ァッションカンタータ開催委員会委員 |
平成17年5月 | 京都工芸染匠協同組合相談役理事 |
平成17年6月~ | 京友禅協同組合連合会相談役 |
平成17年7月~ | 財団法人京都和装産業振興財団理事 |
白木染匠の受賞歴
昭和59年11月 | 第1回友禅手描染作品競技大会 | 京都府知事賞《附下げ》 |
昭和60年11月 | 第2回友禅手描染作品競技大会 | 大阪通産局長賞《振袖》 |
昭和62年4月 | 京都府中小企業団体中央会会長表彰 | |
昭和62年10月 | 第4回友禅手描染作品競技大会 | 大阪通産局長賞《振袖》 |
商工会議所会頭賞《附下げ》 | ||
昭和63年9月 | 秋季京都国体【テーマ県花桜】に基き振袖【枝垂れ桜に賀茂の川】を制作 府に寄贈 知事より感謝状 | |
昭和63年10月 | 第5回友禅手描染作品競技大会 | 通産大臣賞《訪問着》 |
大阪通産局長賞《附下げ》 | ||
京都新聞社賞《留袖》 | ||
平成元年10月 | 第6回友禅手描染作品競技大会 | 通産大臣賞《振袖》 |
通産大臣賞《附下げ》 | ||
平成1年5月 | 花の万博 京都府の日グランプリ創作図案【カキツバタ】の振袖製作展示 府に寄贈 知事より感謝状 | |
平成2年10月 | 第7回友禅手描染作品競技大会 | 通産大臣賞《振袖》 |
通産大臣賞《附下げ》 | ||
平成3年10月 | 第8回友禅手描染作品競技大会 | 通産大臣賞《振袖》 |
商工会議所会頭賞《附下げ》 | ||
平成4年10月 | 第9回友禅手描染作品競技大会 | 通産大臣賞《振袖》 |
京染連理事長賞《色留袖》 | ||
平成5年10月 | 第10回友禅手描染作品競技大会 | 近畿通商産業局長賞《振袖》 |
京都府知事賞《附下げ》 | ||
平成6年10月 | 第11回友禅手描染作品競技大会 | 京都府知事賞《振袖》 |
京都市市長賞《附下げ》 | ||
平成7年10月 | 第12回友禅手描染作品競技大会 | 京都府知事賞《附下げ》 |
京都市市長賞《振袖》 | ||
平成8年10月 | 第13回友禅手描染作品競技大会 | 商工会議所会頭賞《附下げ》 |
平成9年10月 | 第14回友禅手描染作品競技大会 | 京都市市長賞《振袖》 |
平成10年10月 | 第15回友禅手描染作品競技大会 | 近畿通商産業局長賞《附下げ》 |
商工会議所会頭賞《訪問着》 | ||
平成11年10月 | 第16回友禅手描染作品競技大会 | 京都府知事賞《附下げ》 |
京都市市長賞《訪問着》 | ||
平成12年10月 | 第17回友禅手描染作品競技大会 | 近畿通商産業局長賞《振袖》 |
商工会議所会頭賞《附下げ》 | ||
平成13年10月 | 第18回友禅手描染作品競技大会 | 近畿通商産業局長賞《附下げ》 |
京都府知事賞《振袖》 | ||
平成14年10月 | 第19回友禅手描染作品競技大会 | 京都府知事賞《振袖》 |
商工会議所会頭賞《振袖》 | ||
平成15年10月 | 第20回友禅手描染作品競技大会 | 京都府知事賞《振袖》 |
京都府知事賞《附下げ》 | ||
京都市市長賞《附下げ》 | ||
京都新聞社賞《振袖》 | ||
平成16年10月 | 第21回友禅手描染作品競技大会 | 京都市市長賞《振袖》 |
伝統工芸品産業振興協会会長賞《附下げ》 | ||
京都市芸術文化協会理事長賞《訪問着》 | ||
平成17年10月 | 第22回友禅手描染作品競技大会 | 経済産業大臣賞《振袖》 |
伝統工芸品産業振興協会会長賞《附下げ》 | ||
NHK京都放送局長賞《振袖》 | ||
平成18年10月 | 第23回京友禅きもの芸術展工芸染匠作品展覧会 | 京都府知事賞《振袖》 |
京都織物卸商業組合理事長賞《附下げ》 | ||
京都新聞社賞《振袖》 | ||
平成19年10月 | 第24回京友禅きもの芸術展工芸染匠作品展覧会 | 京都市市長賞《振袖》 |
京都織物卸商業組合理事長賞《附下げ》 | ||
京都新聞社賞《振袖》 | ||
(財)京染会賞《 附下げ 》 | ||
平成20年10月 | 第25回京友禅きもの芸術展工芸染匠作品展覧会 | 経済産業大臣賞《 附下げ 》 |
京都新聞社賞《振袖》 | ||
平成21年10月 | 第26回京友禅きもの芸術展工芸染匠作品展覧会 | 京都府知事賞《 附下げ 》 |
京都市市長賞《振袖》 | ||
平成22年10月 | 第27回京友禅きもの芸術展工芸染匠作品展覧会 | 近畿通商産業局長賞《 附下げ 》 |
商工会議所会頭賞《振袖》 | ||
平成22年10月 | 第59回全国小紋友禅染色競技大会 友禅の部 | 経済産業大臣賞《 振袖 》 |
平成23年11月 | 第60回全国小紋友禅染色競技大会 友禅の部 | 内閣総理大臣賞《 振袖 》 |
中小企業長官賞《振袖》 | ||
平成24年2月 | 第28回工芸染匠作品展覧会 総模様部門 | 京都府知事賞 |
平成24年10月 | 第29回工芸染匠作品展覧会 総模様部門 | 商工会議所会頭賞 |
平成24年11月 | 第61回全国小紋友禅染色競技大会 友禅の部 | 経済産業大臣賞《振袖》 |
平成26年2月 | 第28回工芸染匠作品展覧会 総模様部門 | 京都市長賞 |
〃 長物着尺部門 | 京都府知事賞 | |
平成26年9月 | 第31回工芸染匠作品展覧会 総模様部門 | 商工会議所会頭賞 |
長物着尺部門 | 京都市芸術文化協会理事長賞 |
白木染匠の賞罰
昭和62年4月 | 中央会会長表彰 |
平成3年11月 | 京都府知事表彰 |
平成4年5月 | 京都市長表彰 |
平成12年10月 | 近畿通産局長表彰 |
平成14年10月 | 全国中小企業団体中央会表彰 |
平成15年2月 | 財団法人伝統的工芸品産業振興協会産業功労者褒賞 |
平成16年10月 | 中小企業庁長官賞 |
平成16年10月 | 厚生労働大臣表彰 |
平成17年5月 | 黄綬褒章受章 |
白木染匠の作品
まとめ
白木染匠は、きものどころ京都の中でも最高峰の染匠の一軒です。
同じく手描き友禅の名門「吉川染匠」の四代目:吉川博也氏も白木染匠にて十年間修行されていました。
繊細な柄付けに奥行きのある色使いは、手糸目の手描きとは思えないほど精細で息を呑みます。
白木染匠のお着物をご覧になりたい方は、みやたけ工房までお気軽にお問い合わせ下さいませ。
みやたけ工房は、ホンモノの着物を製造する染匠を応援しています。