成人式に出席する新成人の女性のうち、約93%が振袖を着用しています。
成人式に振袖を着て行くのは、当たり前のように思っている方が大半ですよね。
では、「なぜ成人式に振袖を着て行くのか?」考えてみた事はありますでしょうか?
成人式や振袖の意味を知ることで、より深く感じて頂けることでしょう。
成人式って何?
成人を祝う儀礼は古く、奈良時代からあります。
- 男児には、元服(げんぶく又はげんぷく)・褌祝(ふんどしいわい又はへこいわい)
【元服】「元」は頭、「服」は着用を表し、大人の服に改め、「頭に冠をつける」通過儀礼
【褌祝】男児が初めて褌を締めて成人とみなされる通過儀礼
- 女子には、裳着(もぎ)・結髪(けっぱつ)
【裳着】成人した女子に初めて裳(十二単を構成する着物)を着せる通過儀礼
【結髪】髪を結って元服すること
時代によって成人式で着るものも変化しつつ、武家や公家、一族によってやり方や祝う年齢がまちまちでした。
第2次世界大戦の敗戦間もない1946年(昭和21年)に、当時、埼玉県蕨市の青年団長高橋庄次郎が主唱者となり、次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますために企画した『青年祭』がルーツと言われています。
そこから全国に広まり『成人式』となりました。
第一回青年祭の様子
現代では、二十歳という区切りで法律上の扱いが成人となり、『大人になった事を自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます日』とされ、冠婚葬祭の「冠」にあたる最も格式の高い通過儀礼になります。
振袖って何?
振袖の元となったのは、振り八ツ口のあいた子供用の小袖になります。
振袖は、もともと袖の長さに関係がなく、汗の発散と動きやすさから振り八ツ口があいている男女兼用の子供の着物を指していましたが、江戸時代に装飾化して若い女性のものとなり、袖が次第に長くなっていきました。
袖丈が長くなったのには、主に2つ説があります。
- 一つは身振りを美しく見せるため、又はオシャレを競ううちに長くなったといわれる説。
- もう一つは長い袖で、恋愛感情を表現したとされる説です。
昔の女性は求婚されたとき、言葉で返事をするのは「はしたない」とされていたため、袖の振り方によって好きか嫌いを伝えました。
- 「好き」は袂を左右に、「嫌い」は前後に振って意思表示します。
- 結婚した女性は、長い袖が必要なくなり袖の短い「留袖」を着用するため、振袖は未婚女性のものとなります。
- 「振る」「振られる」「袖を振る」の語源は、振袖のこの習慣が由来になっています。
『振袖が未婚女性の第一礼装になった理由』
古来から「振る」という行為には、「神様を呼び寄せる」「厄を払う」という力があるとされています。
未婚女性が「袖を振り」好きな人を振り向かせたい・心を通わせたいと祈っていたといわれています。
そうした背景から明治以降、『振袖が未婚女性の第一礼装』に定着しました。
成人式に振袖を着る事は、華やかなだけではなく、ちゃんとした理由があったんですね。
まとめ
ご両親や祖父母様が、お嬢様の振袖姿をとても楽しみにされている事に気付かれていますでしょうか?
どのご家庭も愛情を注ぎながら、お嬢様をお育てになってこられた事と思います。
成人式とは、お嬢様が振袖姿で大人への旅立ちをお披露目するだけでなく、ご両親やご家族様にとっても、お嬢様を大人まで育て上げた事が実感できる大切な行事でもあります。
凛とした振袖姿で、成人式に出席して旧友との再会を楽しむというのが昨今の成人式です。
素敵な振袖姿で成人式の良き思い出を作り、日頃なかなか言えない感謝の想いを両親に伝えてみてはいかがでしょうか?