タイトルにご興味を頂いた方は、振袖量販店が扱う大量生産のインクジェット振袖をさけて選びたい方が多いのではないでしょうか?
百貨店や老舗専門店では、量販店に比べると確かに品質の高い振袖を取扱っていますが、インクジェット振袖を扱っていないという訳ではありません。
今や市場の6割がインクジェット振袖といわれており、昔ながらの手染めの着物を制作する『染匠』が苦境に立たされています。
歴史ある名門染匠が次々に倒産し、老舗染匠もプリント加工を始めるところもあり、大量生産のプリント振袖の割合が多い中、職人が手染めで制作する本格的な創作振袖がなかなか見つからないとのお声をたくさん頂戴しております。
昔と今の着物を比べると品質は変わりましたが、現在制作している品質を守ってのもさらに困難だともいわれています。
しかし令和時代に入っても素晴らしい作品を生み出している染匠もございますので、ご参考にして頂けたらと思います。
その前に、まずはプリント振袖についてと見分け方などをご紹介いたします。
インクジェット振袖の見分け方
プリント振袖とは、主にインクジェットで印刷された量産品の振袖です。
大型プリンターによって染めていく技術で、簡単に言ってしまえば機械を通過してハイ出来上がりという振袖です。
職人が伝統技術を駆使して染め上げる振袖に比べて、はるかに低コストで大量生産が可能です。
ここで注意したいのが、こうしたインクジェット振袖にも、『京友禅証紙』が貼付されるという事です。
写真は、京友禅振興協議会より引用
手染めの振袖を探している方からしてみれば、何を基準に判断すれば良いのかわからなくなっています。
インクジェット振袖はデジタル染めともいわれる京友禅の技法に選ばれたもののため京友禅証紙が貼付されています。
そこで、プリント振袖と職人の手染め振袖の見分け方をご紹介させて頂きますので、振袖選びにお役立て頂ければと思います。
生地の裏面を見る
インクジェット振袖の場合、表面に染料を吹きつける為、裏面は真っ白です。
手染めの場合、地染めの工程で裏面まで色が浸透しています。
裏面を見て見分ける方法が一番わかりやすいかと思います。
※最近は裏面に色が通るインクジェット振袖もありますのでお店の方に確認しましょう!
糸目の白い輪郭線を見る
糸目とは、染料が他の部分にはみ出ないようにする「防染」の役目があります。
インクジェット振袖は防染の工程がないため、輪郭線がクッキリしています。
手染めの場合、糸目の白い輪郭線があります。
葉や枝などの色の濃淡も手描きならでは風合いが出ています。
柄の輪郭を見ることで手染めとインクジェットの違いが判ります。
染料とびを見る
検品後でも一部に、誤って飛んでしまった染料がついていることがあります。
インクジェット振袖には、染料飛びがありません。
手描き友禅は飛んでいることがあります。
あまりに染料が飛んでしまった場合は、地直しをしてから市場に流通します。
少しだけならこれも手描きの味として愛好家の方には受け入れられています。
老舗振袖メーカーのご紹介
久保耕
久保耕の着物は、『久美すがた』というブランドで全国の有名百貨店や老舗専門店などで高い人気を誇り、正統派の本格手描き友禅の名門として名声を誇っています。
久保耕ご紹介のページはこちら
https://miyatakebook.com/kubokou/
久保耕の振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/kubokou/
尾峨佐染繍
世界中のあらゆる地域、または民族に広く伝わる歴史ある技法「刺繍」
立体感のある刺繍の美しさは、他の表現方法では決して真似することが出来ません。
尾峨佐染繍は創業以来、この刺繍一筋に着物創りをされている京都を代表する名門手刺繍メーカーです。
尾峨佐染繍ご紹介のページはこちら
https://miyatakebook.com/ogasa/
尾峨佐染繍の振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/only-furisode/
白木染匠
白木染匠は、大正~昭和初期の京都四大染匠の一つ・沢渡源兵衛商店の流れを汲む本格手描き友禅の名門染匠です。
江戸時代の小袖の研究に勤しみ、流行にとらわれる事の無い創作古典の制作を心掛けています。
白木染匠ご紹介のページはこちら
https://miyatakebook.com/shiraki/
本格手描き京友禅振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/koten/
辻が花 翠山
2019年1月に翠山工房(株式会社 桐屋)は倒産し、同年4月に辻が花の技を引き継いだ株式会社翠山が創作している「辻が花」の工房になります。
翠山工房ご紹介のページはこちら
https://miyatakebook.com/touya
辻が花振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/tujigahana/
吉川染匠
創業は1897年と歴史が長く、現在で四代目となる吉川染匠は本格手描き京友禅の名門染匠です。
京で育まれた染匠と職人が選りすぐった材料に心を込めて「独創性豊かな華やぎと品格ある着物」を制作されています。
吉川染匠ご紹介のページはこちら
https://miyatakebook.com/yoshikawa/
本格手描き京友禅振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/koten/
吉澤織物
吉澤織物は新潟県十日町で、歴史・規模・実績において、名実ともにトップメーカーを誇ります。
伝統を守りながら、古典美に尽きることのない創意を加え、美しい着物を創作されている全国屈指の名門染匠です。
吉澤織物ご紹介のページはこちら
https://miyatakebook.com/yoshizawa/
吉澤織物の振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/koten/
藤井寛
京都の伝統の技と心を受け継ぎ、さらには皇室へ度重なる献上の栄誉を授かる京都の匠、皇室献上友禅作家「藤井寛」が、下絵から染め、仕上げまでをプロデュース。
一貫した手仕事と、優美さの中に華やかさを表現したロイヤルカラーのグラデーションが、日本の女性を美しく輝かせます。
藤井寛ご紹介のページはこちら(問屋経由などの企画生地とオリジナル最高級生地の違いもご紹介)
https://miyatakekoubou.com/furisode/fujii/
藤井寛の振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/fujii
藤娘きぬたや
世界中から注目されている藤娘きぬたやが、極限まで高めた絞りのもつ独特の意匠性に加え、独自に編み出した精緻な染めの技法は圧倒的な美を誇ります。
一粒一粒、手で絞っていくトップレベルの技術を駆使することで、誰もが感動を感じれるモノづくりをされておられます。
総絞りの振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/sibori/
丸福染匠
戦後間もない昭和21年創業の木村染匠の関連会社である『丸福染匠』
老舗染匠の手の込んだ仕事を請け負う事から、隠れた名門と称される丸福染匠は着物のデザインや色彩を考案し、およそ15以上の工程ごとにそれぞれの職人が完全分業制で制作しており、その工程全般を統括して、一枚の美しい本格手描き京友禅振袖を作り上げます。
丸福染匠の振袖をお探しの方はこちら
https://miyatakekoubou.com/furisode/koten/
まとめ
今回ご紹介させて頂いた振袖は、手染めにこだわって制作されている呉服業界を代表する名門染匠です。
若手の雇用が経営上難しく技術の継承ができていないため、数年前に比べると生産数は減少しているのが現状です。
少しでも品質を落とさないように、作り手、売り手、買い手が三位一体となり、次の将来に残せていければいいのですが…。
振袖専門店みやたけ工房では、全ての染匠の振袖をお安くご覧頂けます。
(生産数が少ない為に在庫切れの商品もありますので、一度お問合せください。)
当店の先代が職人だった事もあり深い繋がりがある染匠も多く、問屋を通さず染元直接価格でお安くご提供させて頂いているお品や別注染めの1点物など、百貨店や老舗専門店以上に品数豊富です。
遠方の方でも本格的な創作古典柄振袖をお探しの際は、一度お気軽にお問い合わせのメールやお電話など頂けたらと思います。
お一人おひとり、誠心誠意お手伝いさせて頂いております。