成人式や卒業式で着用した沢山の思い出がつまった振袖を「自分の結婚式でも独身最後の記念に絶対着たい!」という方に、わかりやすく簡単に解説していきますので、ご参考にして頂けたらと思います。
まずお断りとして、人やお店によって見解が少し違うという事を覚えておいてください。
近年では、昔ほど格式にとらわれずに多少の融通を利かしながら着物を着こなす方が多く、曖昧になってきている部分もあるため、最低限のマナーだけ守って、上手に着物とお付き合いされる事をおススメします。
振袖の種類
卒業式で袴の上に合わせる『小振袖(二尺袖)』
袖丈や身丈が短い簡易なタイプです。
成人式に着用した『中振袖』
レンタルではなく購入して自分の寸法に仕立てた物も中振袖となります。
婚礼で着用する『大振袖』
中振袖とは違い、比翼仕立てで裾にふき綿が入っており、丸帯を合わせます。
この中で、『小振袖』だけが結婚式で着るのはNGです。
引き振袖などの『大振袖』は、色打掛や白無垢と同様に格が高く、婚礼衣裳なので結婚式では全く問題ありません。
では、本題の成人式で着用した『中振袖』はどうでしょうか?
披露宴のお色直しとしては、そのまま着用してOKです。
ただし結婚式の「式」にあたる場面ですと、教会はウエディングドレス、神前式では白無垢か打掛か引き振袖となり、中振袖をそのままという訳にはいきません。
どうしても式で着用したい場合、格の高い引き振袖にする必要があります。
・ 比翼仕立てにする(もしくはもう一枚着物を中に着る)
・ 袖口と裾にふき綿を入れる
・ 袋帯を丸帯に仕立て変えか、丸帯を準備する
・ 懐剣、筥迫、末広、抱え帯を用意する
・ 厳密にしたい方は袖丈を3尺~3尺3寸まで出す
以上の準備をすることで、式でも着用できる引き振袖となります。
ご自身の式ではそのまま着用出来ませんが、披露宴のお色直しではそのまま着用OKです。
冒頭でもお伝えしましたが、人やお店によっては披露宴でも大振袖でないと ・ ・ ・ と言われるかもしれませんが、そのままで大丈夫です。
創業から24年間、振袖専門店として数えきれない程、顧客様の成人式や結婚式をお手伝いをさせて頂いた実績からも「そのままでも大丈夫」と断言させて頂きます。
実際に、今まで沢山のお嬢様が成人式でご縁を頂いた振袖をそのまま披露宴でお召し頂いております。
振袖を作ってもらった感謝を込めて、独身最後にお色直しで着用される方も多く、お喜びの声ばかり頂きますので自信を持って、着用なさってください。
引き振袖にすると、比翼仕立てやふき綿入れなどの仕立て代とさらに元に戻す費用から小物や丸帯の準備など、相当な費用がかかります。
振袖のコンディションにとっても、何度も仕立て直しをするのは良くありませんので、お子様に恵まれ女の子だったら着てもらえるよう振袖を大切にされる事おススメします。
まとめ
成人式で着用した振袖は、ご自身の結婚式の「式」にはNG、「披露宴」でお色直しならOKになります。
思い出の詰まったお気に入りの振袖で、ご両親に感謝の意を込め素敵な結婚式を演出してもらえたらと思います。