振袖を購入された方、もしくは代々の振袖をお譲り頂いた方は成人式で着用した後、家でこれから大切に保管する事になります。
しかし、保管する前に振袖の状態をよく確認してからでないと、次に着用するとき、黄変やシミが出来ていたりと後で取り返しのつかない事になりかねません。
ここでは、成人式で着用した後のお手入れや収納方法などをご紹介させて頂きます。
振袖着用後の汚れやすいチェックポイントは3つ
成人式や結婚式など、振袖を着用後に必ずチェックしておきたい汚れやすいところがありますので、確認してください。
着用後は、着物ハンガーなどを使用して、室内で二、三日陰干しをしましょう。
衿元
衿元は、ファンデーションや皮脂が付着しやすい部分となり、一番汚れている可能性があります。
広衿を広げると中心に、うっすらとファンデーションや皮脂がついている場合があります。
食べ汚しも衿元や胸元に付着する事が多いため、明るい場所でしっかりと確認しましょう。
袖口
袖口周りは、皮脂汚れがつきやすい場所になります。
袖口の裏がうっすら黒ずんでいる場合は、皮脂による汚れです。
袖の裾や身頃の裾
慣れない長い袖をいつの間にか引きずってしまっている事があります。
身頃の裾も同様に、汚れやすい部分となっておりますのでしっかりと確認が必要です。
特に雨の日に着用した後は、泥ハネなども点検しましょう。
汚れがあった時の対処法
汚れやシミがあった場合、なるべく早くお店に持っていき相談しましょう。
時間が経つほど、汚れは落ちにくくなります。
お店は、シミ抜き専門の悉皆(しっかい)屋か振袖を購入されたお店がオススメです。
特に振袖を購入したお店では、アフターサービスでお手入れ無料の特典が付いている場合が多く、遠慮なく相談してみましょう。
ただし、持って行く前の注意点として近々の着用予定がないか確認してください。
お手入れに出した場合、成人式の後だと混み合っていますので、長いと2カ月ほどかかります。
短大生や2年制の専門学生の方は、1月の成人式で着用後に3月の卒業式でも振袖に袴を合わせて着用する学校が多いため、なるべく成人式では汚さずに卒業式後にお手入れ依頼をするのが良いでしょう。
※ 汚れが全くなかった場合は、毎回洗う必要がありませんので陰干し後、綺麗にたたんで保管してください。
収納方法
お手入れから戻ってきた振袖を収納する前の注意点として、シワ伸ばしと保管場所がとても重要になってきます。
一度収納すると何年もしまいっぱないになる事がありますので、変な折りジワなどが入らないようにしっかりとシワ伸ばしをして収納します。
保管場所としては、絹は湿気に弱いため台所や洗面所など水回りが近い場所では保管しないでください。
また、湿気は下にたまりやすく、一戸建てなら2階か3階に、マンションならタンスの上の方に収納するのがベストです。
絹は呼吸していますので、風を通し湿気を吸ってくれる桐のタンスが着物の保管には最適です。
タンスを置くスペースがない方には、桐の小型衣装ケースなどがおススメです。
桐のタンスに入れたからといって、長年放置して良い訳ではありません。
春と秋の年2回程度、着物を出してハンガーに吊るし風通しを行ってください。
その際は色やけ防止のため、蛍光灯の明かりや日光が当たらないように陰干しで、晴れた日に朝から5~6時間(夕方まで)行います。
収納方法(着用しない場合)
結婚して、次に着る予定が全くない場合、何十年と先まで保管する事になります。
通常の収納方法では、面倒になってきますので保管パックがおススメです。
パックの中の酸素を完全に抜き、窒素ガスを注入するので保管中の湿気によるトラブルなどもなく、収納スペースも効率的です。
保管パックを利用する際は、丸洗いやシミ抜きなどで着物を綺麗な状態にしてから保管しましょう。
まとめ
振袖は、単純に衣類としてではなく、成人式や結婚式など特別なハレの日に着用した沢山の思い出がつまった宝物です。
世代を超えて、母から娘へと受け継がれる日本の伝統衣装として、上手にお手入れと収納を行い、大切に保管してもらえたらと思います。